雑談の広場
新規投稿
|
ツリー順
新着順
|
Entrance Hall
[ 1252 ]
Re:落日4-7-4
[ 名前:
maxi
]
[ 日付:
2010年11月12日(金) 03時09分
]
返信を書く
[1229]親コメントを読む
[1229]ルートを読む
目のやり場に困る姿の人妻に近付いた田宮は、その途中でソファの陰に隠れていたモノを見つけて足を止めた。
異常な事態に背筋が凍る。田宮が見たのはこの家の主人、望月拓雄が折れ曲がったゴルフクラブを手にしたまま、
背中から包丁を生やしている姿だった。血の海の中でピクリとも動かない男が既に絶命しているのは明白だった。
そしてそれは、彩子の腕の中でぐったりとしている飼い犬も同じだった。
「奥さん、警察を呼びましょう……」
震える声で田宮が呟く。悲鳴を上げて逃げ出したくなる衝動を無理矢理に抑え込む。
「先生! 早くジョンを! ジョンを診てください!」
歩みを止めた獣医に、彩子は苛立ちを込めて叫ぶ。
「警察に連絡を……」
「何を言ってるんですか! お医者様なんでしょ! ジョンを助けてよ!」
いつまでたっても腕の中の牡犬を助けようとはしない獣医に、彩子は鬼気迫る表情をした。人妻の狂気に気圧されて、思わず田宮はあとじさった。
「診なくても判るんです! ジョン君はもう……、もう亡くなっているんですから!」
異常な事態に背筋が凍る。田宮が見たのはこの家の主人、望月拓雄が折れ曲がったゴルフクラブを手にしたまま、
背中から包丁を生やしている姿だった。血の海の中でピクリとも動かない男が既に絶命しているのは明白だった。
そしてそれは、彩子の腕の中でぐったりとしている飼い犬も同じだった。
「奥さん、警察を呼びましょう……」
震える声で田宮が呟く。悲鳴を上げて逃げ出したくなる衝動を無理矢理に抑え込む。
「先生! 早くジョンを! ジョンを診てください!」
歩みを止めた獣医に、彩子は苛立ちを込めて叫ぶ。
「警察に連絡を……」
「何を言ってるんですか! お医者様なんでしょ! ジョンを助けてよ!」
いつまでたっても腕の中の牡犬を助けようとはしない獣医に、彩子は鬼気迫る表情をした。人妻の狂気に気圧されて、思わず田宮はあとじさった。
「診なくても判るんです! ジョン君はもう……、もう亡くなっているんですから!」