雑談の広場:コメント投稿
[ 1211 ]
Re:落日3-2-1
[ 名前:
maxi
]
[ 日付:
2010年11月12日(金) 02時40分
]
2
朝になっても、拓雄は寝室に戻って来てはいなかった。昨夜の名残が残るシーツを剥いで新しいものに換えた彩子は、朝から陰鬱な気分だった。
(どうしてあんな夢を……)
夫が出て行った後、一人自分のベッドに戻った彩子は夢を見た。
実の父親との爛れた愛欲の日々。大きくエラの張ったペニスを勢いよく突き込まれ、いとも容易く頂上を極める夢を。
そして、飼い犬とのおぞましくも甘美な行為。人間には為し得ない、彩子の奥深くに眠る獣性を解き放つ犬のペニスで何度も貫かれる夢を。
そのどちらもが、牡の証に飢えた彩子を満足させるモノだった。そして、夢の中での行為を思い出した彩子は、
忌まわしさと甘美な陶酔とが入り混じった不思議な気持ちになるのだった。
冷たい水で顔を洗って気分を改めた彩子は、リビングのソファで眠っている夫の姿を見つけ、溜息を吐いた。
テーブルの上にはウィスキーのビンとグラスが転がっている。二十年程前にも、似たような光景があったことを思い出し、彩子は身震いした。
「もう、拓雄さん、しゃきっとして。あゆみがまた心配するじゃない」
情けない父親の姿をあゆみには見せたくないと、彩子は少し苛ついた口調で拓雄を揺り起こす。小さく呻くように返事をした酒臭い夫を立たせ、
ふらふらとした足取りを支えて寝室に連れて行った。
結局その日の拓雄は、ほとんど家族と話すことなく、赴任先へと戻って行った。あまりにも元気のない父親の姿にあゆみは表情を曇らせ、彩子は苛立っていた。
突然男としての機能を失い、呆然とする夫の心情は察するに余りあるが、そもそも誘いを掛けてきたのは拓雄の方で、
久しぶりに燃え上がりかけていた夫婦関係に水を掛けるような夫の仕打ちに、裏切られたような腹立たしさを彩子は感じていた。
確かに二週間前は彩子の方に非があった。だが今はそれも解消済みになっているはずだった。ジョンとの過ちからずっと、
彩子を巡る状況は浮き沈みを繰り返している。中々上手くいかない現状に、彩子はくさくさした気持ちを抱え込んでいた。
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> 2 > > 朝になっても、拓雄は寝室に戻って来てはいなかった。昨夜の名残が残るシーツを剥いで新しいものに換えた彩子は、朝から陰鬱な気分だった。 > (どうしてあんな夢を……) > 夫が出て行った後、一人自分のベッドに戻った彩子は夢を見た。 > 実の父親との爛れた愛欲の日々。大きくエラの張ったペニスを勢いよく突き込まれ、いとも容易く頂上を極める夢を。 > そして、飼い犬とのおぞましくも甘美な行為。人間には為し得ない、彩子の奥深くに眠る獣性を解き放つ犬のペニスで何度も貫かれる夢を。 > そのどちらもが、牡の証に飢えた彩子を満足させるモノだった。そして、夢の中での行為を思い出した彩子は、 > 忌まわしさと甘美な陶酔とが入り混じった不思議な気持ちになるのだった。 > 冷たい水で顔を洗って気分を改めた彩子は、リビングのソファで眠っている夫の姿を見つけ、溜息を吐いた。 > テーブルの上にはウィスキーのビンとグラスが転がっている。二十年程前にも、似たような光景があったことを思い出し、彩子は身震いした。 > 「もう、拓雄さん、しゃきっとして。あゆみがまた心配するじゃない」 > 情けない父親の姿をあゆみには見せたくないと、彩子は少し苛ついた口調で拓雄を揺り起こす。小さく呻くように返事をした酒臭い夫を立たせ、 > ふらふらとした足取りを支えて寝室に連れて行った。 > 結局その日の拓雄は、ほとんど家族と話すことなく、赴任先へと戻って行った。あまりにも元気のない父親の姿にあゆみは表情を曇らせ、彩子は苛立っていた。 > 突然男としての機能を失い、呆然とする夫の心情は察するに余りあるが、そもそも誘いを掛けてきたのは拓雄の方で、 > 久しぶりに燃え上がりかけていた夫婦関係に水を掛けるような夫の仕打ちに、裏切られたような腹立たしさを彩子は感じていた。 > 確かに二週間前は彩子の方に非があった。だが今はそれも解消済みになっているはずだった。ジョンとの過ちからずっと、 > 彩子を巡る状況は浮き沈みを繰り返している。中々上手くいかない現状に、彩子はくさくさした気持ちを抱え込んでいた。 > >
朝になっても、拓雄は寝室に戻って来てはいなかった。昨夜の名残が残るシーツを剥いで新しいものに換えた彩子は、朝から陰鬱な気分だった。
(どうしてあんな夢を……)
夫が出て行った後、一人自分のベッドに戻った彩子は夢を見た。
実の父親との爛れた愛欲の日々。大きくエラの張ったペニスを勢いよく突き込まれ、いとも容易く頂上を極める夢を。
そして、飼い犬とのおぞましくも甘美な行為。人間には為し得ない、彩子の奥深くに眠る獣性を解き放つ犬のペニスで何度も貫かれる夢を。
そのどちらもが、牡の証に飢えた彩子を満足させるモノだった。そして、夢の中での行為を思い出した彩子は、
忌まわしさと甘美な陶酔とが入り混じった不思議な気持ちになるのだった。
冷たい水で顔を洗って気分を改めた彩子は、リビングのソファで眠っている夫の姿を見つけ、溜息を吐いた。
テーブルの上にはウィスキーのビンとグラスが転がっている。二十年程前にも、似たような光景があったことを思い出し、彩子は身震いした。
「もう、拓雄さん、しゃきっとして。あゆみがまた心配するじゃない」
情けない父親の姿をあゆみには見せたくないと、彩子は少し苛ついた口調で拓雄を揺り起こす。小さく呻くように返事をした酒臭い夫を立たせ、
ふらふらとした足取りを支えて寝室に連れて行った。
結局その日の拓雄は、ほとんど家族と話すことなく、赴任先へと戻って行った。あまりにも元気のない父親の姿にあゆみは表情を曇らせ、彩子は苛立っていた。
突然男としての機能を失い、呆然とする夫の心情は察するに余りあるが、そもそも誘いを掛けてきたのは拓雄の方で、
久しぶりに燃え上がりかけていた夫婦関係に水を掛けるような夫の仕打ちに、裏切られたような腹立たしさを彩子は感じていた。
確かに二週間前は彩子の方に非があった。だが今はそれも解消済みになっているはずだった。ジョンとの過ちからずっと、
彩子を巡る状況は浮き沈みを繰り返している。中々上手くいかない現状に、彩子はくさくさした気持ちを抱え込んでいた。