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Life as a Dog 4


Ver 1.00

作:クロマイト



何で…。

何でこんな事になっちまったんだろう。

快感に霞む頭で、俺はそんな事を考えた。

何度か入った事のある、あいつの部屋。女の子の部屋にしては飾り気のない、いかにもあいつらしい室内。

視線を下に落とすと、四つん這いになったあいつが、俺のペニスにむしゃぶりついている。はぁはぁと息を吐きながら、だらしなく涎を垂らして。そう、まるで犬みたいに。

そして、這いつくばったあいつの後ろには…

犬がいた。あまり大きくない、茶色の毛並の、ホンモノの犬。あいつの飼い犬の甚五郎だ。

それが、前脚をあいつのお尻に掛けて、激しく腰を振っている。

ホンモノの犬が、人間の俺の彼女のアソコに、ペニスを突っ込んで腰を振っている。あいつも、それに合わせて鼻にかかった声を上げ、お尻をくねらせている。

俺の彼女が、犬とセックスしてるんだ。

信じられなかった。

もちろん、「獣姦」って言葉は知ってる。でもそれは、AVとかマンガとか、ネット上のネタとかの、フィクションの世界の話だと思っていた。まさか本当に、犬のペニスを挿れて、本気で犬とセックスする女がいるなんて。しかも、よりによって俺の彼女が。

信じられなかった。

信じられないまま、あいつの上げる声に何故かひどく興奮して、俺はあいつの咽喉の奥に、熱いカタマリを思い切りぶちまけていた。



その日、俺はあいつの家の前をうろついてた。

あいつはやたらと気の強い奴で、そのせいか俺達は喧嘩が絶えない。付き合い始めてから何回人前で怒鳴りあった事やら。

その上、その後で学校で会っても無視されて、暫くは口も利こうとしない。当然、セックスなんかは当分お預け。親父の買って来た週刊誌やスポーツ新聞をオカズにする日々だ。

ところがあいつも最近は微妙にカドが取れてきて、以前ほど突っかかっては来ない。どういう訳かは知らないけど、何と言うか余裕がある感じだ。

そんなあいつに気を良くして、ちょっと調子に乗ったのがまずかった。

デートの途中で久しぶりの大喧嘩。謝るタイミングを外して、かなり派手にやってしまった。

当然、デートの最後のお楽しみはナシ。明日からは学校、来週は中間テストの前の週だ。今日を逃したら、セックスするチャンスは当分ないかもしれない。俺の前にも他の男と付き合ってたくせに、あいつは変な所で堅いんだ。

さっさと謝って、お楽しみだけでもするに限る。そう思ってあいつの家の前までやって来たんだ。けれど…

どうも雰囲気が違う。静か過ぎる…そう思って門の中を見回して、違和感の正体に気づいた。

甚五郎がいない。

いつもなら凄い勢いでじゃれ付いてくる飼い犬の甚五郎が、今日はいなかった。あいつと散歩にでも行ったんだろうか。…それにしては、ロープに首輪がついたまま放ってあるのがちょっと妙だった。

犬小屋の横を抜けて玄関の引き戸に手を掛ける。…開いてる。

そのまま玄関を抜けて、家の中へ上がり込んだ。勝手知ったる何とやら。金がない時のデートだと、最後には決まってあいつの部屋でエッチしてるから、もう自分の家みたいなもの。

あいつの両親は共働きで、この時間に家にいるのはあいつだけの筈だ。もし犬の散歩に出かけてるんなら、部屋で待ち構えてちょっとびっくりさせて、なし崩しにエッチまで持ち込んでしまおう…そう考えて、2階への階段に足を掛けた、その時。

「……?」

何か、声が聞こえた。うめき声みたいな…。

見回すと、風呂場の入口が眼に入った。誰か入ってるんだろうか…そう言えば、シャワーの音も聞こえる様な気がする。

風呂で裸になってるんなら余計都合がいいんだけど…そんな事を考えながら、廊下を足音を忍ばせ、脱衣場の引き戸をそっと開けた。

やっぱり。誰かが風呂場でシャワーを浴びている。下半身が、期待で充血していくのがわかった。けど…。

何だ、この声…。

シャワーの音でよく聞き取れない言葉に混じって、鼻にかかった甘える様な声。まるで、盗み見た親父のDVDの中のAV女優みたいな。

中に居るのは間違いなくあいつだ。けれど、こんなあいつの声は聞いた事がない。俺達のセックスは大抵あいつが主導権を握ってるし、その時は俺自身、あいつの反応に気づく余裕がなくなってるから。それについては、終わった後でいつも文句を言われてるんだけど…。


−風呂場でオナニーでもしてるんだろうか。

そんな間抜けな考えが頭に浮かんだ瞬間、俺は気づいた。

耳を澄ますと、あいつの声に混じって、誰か違う奴の息遣いが聞こえてくる。最初は機械か何かの音かと思ったけど、これは明らかに誰かが荒い息を吐いてる音だ。

引き戸に手を掛けたまま、俺はしばらく硬直していた。手足の先が冷たく冷えていく。

考えられる状況は一つ。

あいつがこの向こうで、セックス、してる。俺以外の誰かと。

そんな筈はない、と思った。けれど。

風呂場に裸で誰かと一緒に入って、この声。それ以外に考えられない。

確かめたい気持ちが僅かに勝って、俺は引き戸をほんの少し開けた。

「!!」

それは、ちょっと瞬間的には理解できない様な。

強いて言うなら、誰かが冗談で作った出来の悪いコラか何かの様な。

そんな光景だった。

激しいシャワーの下に四つん這いになったあいつ。

そのお尻を抱え込むみたいにして、犬が。

あいつの飼い犬の甚五郎が、丁度バックでする時みたいに、あいつの背中に前脚をついて腰をひくつかせていた。

「いいよ甚五郎、もっと奥まで来て。甚五郎のおちんちん、根元まで挿れていいよ!」

はっきりと聞こえるあいつの声。肝心の部分は甚五郎の体で見えないけれど、あいつらが何をしているかは嫌でもわかった。

あいつが、犬と、セックスしてる。

信じられなかった。

信じたくなかった。

何で、よりにもよって犬なんかと。頭ではそう思いながら、それから眼を離す事ができない。

「ああ、膨らんできた…甚五郎のちんちん、根元が膨らんできたよ…」

期待に震える様なあいつの声。振り返ったあいつの顔を、俺は初めて見た。

だらしなく涎を垂らしながら、切なそうな顔を甚五郎に向けて。

ちょっと目線を振れば目に入りそうな物なのに、覗いてる俺に気づきもしない。潤んだ眼を犬の方に向けながら、お尻を小刻みにひくつかせている。

そんなあいつを盗み見ながら。

何て事だろう、俺はペニスがどうしようもなく勃起してるのを感じていた。

嘘だろう、こんな…。

目の前のあいつに対してか、自分の体に対してか。言葉にできない叫びで、頭が破裂しそうだ。

「あ…っ。あああ」

狭い視界の中で、またあいつが声を上げる。

あいつの声といっしょに、甚五郎が背中から降りた。あいつとペニスで繋がったまま。

そのまま後ろ足でお尻をまたぐ様にして体を入れ替えて、お尻同士をくっつけ合うみたいな異様な姿。間で甚五郎の尻尾が揺れてるのが、何だか冗談みたいだ。

そうか…そう言えば、ガキの頃犬がこんな姿勢になってるのを見た様な気がする。

あれって、「交尾」だったんだ…。

そんな事を、麻痺した頭で考えてみる。その時…

「ああっ!!」

あいつの体が、小刻みに痙攣していた。甚五郎は満足そうに眼を細めながらじっとしている。何が起こってるのか俺にはわからない。

「あああ…甚五郎、甚五郎の精子、あたしの中に出てるよ…」

あいつの言葉が、嫌でもわかる様に解説してくれた。

「気持ちいい?あたしの中に射精して、甚五郎気持ちいい?あたしは…」

あいつの背筋が弓なりに引きつる。タイルの床にへたばって、それでもお尻は突き上げたまま。

「いい!いいよ甚五郎!もっといっぱい出して!!あたしのおなか、あんたの精子で一杯にして!!」

感じている。あいつが、犬に射精されて感じている。犬の精子を中出しされながら、体を痙攣させてイっている。甚五郎は満足そうに眼を細めながら、それでもあいつから離れない。

「まだ出てる…凄いよ甚五郎。甚五郎の精子で、お腹一杯だよぉ…!」

俺は人形みたいに硬直したまま、延々と続くその交尾を眺め続けた。

下着の股間が生暖かく濡れているのを感じながら…。



翌日、俺は複雑な気持ちで登校した。

クラスの連中に上の空で挨拶しながら、俺の頭の中は昨日のあの事で一杯だった。

あいつと顔を合わせたら、どんな顔をすりゃいいんだろう。同じクラスなんだから、嫌でもいずれは顔を合わせる事になる。その時にあいつの顔をまともに見ることができるのか、俺には自信がなかった。

そうこうしてるうちに予鈴が鳴って、他の連中が席に着き始める。その中にあいつが混じってるのかどうか。振り向いて確かめる気にもなれない。

結局、午前中の授業は上の空のまま過ぎてしまった。あいつの方からは特に話しかけて来ない。喧嘩した翌日は、俺の方が必死で話しかけてご機嫌をとるのが当たり前になってたから、多分それを待ってるんだろう。

盗み見ると、あいつは普段と全然変わらない顔をして、他の女どもとくだらない話で盛り上がってる。

あんな事をしておいて、あいつにとってはいつもと変わらない日常って事か。俺の方は世界がひっくり返るくらいの衝撃だったってのに。どういう神経で、平気な顔をしてクラスメイトとおしゃべりしたりできるんだろう…。

そんな事を考えてたら、不意にあいつと目が合ってしまった。慌てて眼を逸らす。

その瞬間、あいつが勝ち誇った様な顔をするのが、ちょっと見えてしまった。


そして、昼休み。

席でぼおっとしてる俺の所に、あいつが大またに近付いてきた。

「あのさぁ、あんた」

わざわざ正面に回りこんで、あいつは言った。

「あたしに何か言う事があるんじゃない?」

「…ねえよ」

いつもの、腰に両手をあてた得意のポーズ。俯いた俺には、制服のおなかから下しか見えない。

「嘘言いなよ。さっきもコソコソあたしの方見てたくせに。男ならはっきりしなよ」

あやまり方によっては許してあげなくもないわよ?という気分がありありの態度。いつだってそうだ。いつだってこいつは自分に主導権があると思ってる。

「キモいんだよねぇ、そうやっていじけた態度で同情引こうと思っても。キャラと合ってないって、判ってる?」

嵩にかかってそんな事を言うあいつ。かっとなって、俺は思わず顔を上げていた。小柄なあいつの顔が、意外な近さで見下ろしていた。

見下ろすあいつの顔に、昨日みたあの時の顔が重なる。何でこうも平気な顔をしていられるんだろう。クラスの連中が考えもしない様な、あんな異常な事をしていた癖に。

「お前こそ、俺に言う事があるんじゃねーの?」

やっとの事で、それだけ切り返した。わきあがった怒りで、舌をもつれさせそうになりながら。

「はあ?何言ってんのアンタ」

「だってさ、お前」

もうやけくそだった。

「他の奴とヤってるじゃん」

犬、と言いそうになるのを何とか我慢して、俺は言葉をぶちまけた。

「…へ、へえ?何訳のわかんない事…」

ぐらり、とあいつが動揺したのが、まるで手に取るみたいにわかった。

「それに、ここ教室だよ?そんな話…」

ほんの少し、だけど確実に上ずってる声。

「俺、見ちまったんだ。昨日、おまえんちの風呂場で」

あいつの顔から音を立てて血の気が引いていくのがわかった。

いつもの俺なら、それを見てしてやったりと思うんだろうけど、今は何も感じない。ただ、くたびれたみたいに椅子に体を投げ出して、言った。

「お似合いの相手だと思うよ。お幸せに」

教室を飛び出していくあいつの背中を見送りながら、俺も最低の気分だった。

条件反射で「最低」とか呟く女子とか、興味津々で話しかけてくる野郎とか、もうそんなものはどうでもよかった。


結局、あいつは午後の授業に出てこなかった。



「あのさ。あの…」

あいつは、まったくいつものあいつらしくない態度だった。

放課後の屋上。下駄箱に置き手紙なんて、これもあいつらしくない方法で呼び出されて、俺はあいつと屋上にいた。

俺は何だか、もうどうでもいい様な気分。いつまでたっても本題に入ろうとしないあいつを見ても、別に腹も立たない。ただ、いつもこうやってれば、こいつも結構可愛いのに。そんな事を考えながら。

「あの事、誰かに言っちゃった…?」

「…へ?」

「だから、あの…あたしが甚五郎と」

ああ、あれはやっぱりホントの事だったんだ…なんて、今更思い知らされたりして、

「…さあ」

言える訳がない。

付き合ってる彼女が、犬とセックスする変態だったなんて。

そんな奴と、知らずにセックスしてたなんて。

そして、それを覗き見して、射精してしまったなんて…。

「どうする、つもり?」

探るみたいな視線で言うあいつ。

「どうって?」

「だから、あの事を、その…みんなに言いふらしたりとか」

最後の方は言いにくそうに、小声の早口になっていた。そんな様子が面白くて、つい思ってもいない事を言ってしまう。

「それも、面白いかもな…」

「やめて!」

必死になるあいつが可笑しい。まあ、そんな噂が流れたら学校へなんか来れなくなる。無理もない。

「言っても誰も信じないって。何なら試してみようか?」

「やめて…やめてよぉ…」

あいつはもう泣き出しそうになって、すがるように俺を見てる。何だか俺がこいつを脅迫してるみたいだ。別にそういうつもりはないんだけど。ただ、いつも生意気なあいつがこんな顔をするのが面白いだけだ。

だけど、あいつの必死な顔を見ているうちに、あのときの風呂場の様子が浮かんできた。

ペットの犬相手に甘えた声を出して、自分からお尻を振ってせがんでたあいつ。

それを思い出したら、堪らない気持ちになって、

「じゃあさ」

言葉が勝手に出てきてしまった。

「見せてくれよ。獣姦」

「…え?」

「そんなに犬とするのが気持ちいいならさ、もう一回俺の前でやってみせてよ」

自分でも、何を言ってるのか理解できなかった。

ただ、見たい…。

なぜそう思うのかわからない。だから俺も、自分の言葉に戸惑っている。

俺、こいつが犬としてるとこ、見たい…。

「やってみせてよ」

呆然としながら、あいつが俺を見詰めていた。



「ほんとに、ここでするの…?」

何度目かの、同じ言葉。

あいつの部屋。もう犬の甚五郎を上げていて、今更やめるも何もない。あいつも、俺も。

「やれよ。見ててやるから。いつもやってるんだろ?」

すがる様な目でこっちを見るあいつに、俺はわざと冷たく言った。

一瞬、何か言いたそうな素振りを見せるあいつ。俺が構わずに黙って見つめていると、諦めたみたいに制服に手を掛けた。

上着とスカートが床に脱ぎ捨てられ、白いブラウスと下着だけになったあいつ。俯いたまま一瞬だけ考えて、一気にショーツを脱ぎおろすと、それを部屋の隅に放り投げた。

まるでショーツを俺の目から隠そうとするみたいに不自然な動き。だけど、ショーツの股の部分が大きくしみになっているのが、俺には見えてしまった。

「甚五郎…」

ベッドの横に膝をついて、あいつが震え声で言った。

「おいで…」

その言葉が終わらないうちに、甚五郎は弾かれたみたいにあいつのお尻にむしゃぶりついていた。お尻の割れ目に鼻をつっこんで、辺りに音が響くくらいの激しい舌使い。それにつれて、あいつの背筋がぴくん、と引きつる。はっ、はっという声にならない息遣い。

ベッドのシーツに顔を埋めて、声を出すのを必死に我慢しているあいつ。主人のそんな様子にお構いなしに、甚五郎は延々とあいつのあそこを舐め続けている。

その勢いに押される様に、あいつの背中が弓なりに反り返っていく。お尻をつき上げた嫌らしい姿勢。いつものエッチと違って、一歩間を置いて眺めるあいつのそんな姿に、俺はひどく興奮していた。

…興奮。そう、おれは興奮していた。俺以外の奴にあそこを舐められて荒い息をついているあいつを見て。それも、人間じゃない、犬に舐められて。

ペニスがスラックスの中で充血して、毛が引っ張られて痛い。

そして、興奮してるのはあいつも同じだった。真っ赤な顔をして、息を必死に殺しながら、うるんだ目でちらちらと俺の方を気にしている。

そのくせ俺と目が合うと、ぷいとそっぽを向いてしまう。感じている顔や息遣いを見られない様にしているつもりだろうけど、顔をそむけている間の痙攣するみたいな背中の動きで、どんな顔をしているのか位わかってしまう。

そのうち我慢しきれなくなったのか、あいつの体ががくがくと震え始めた。

「ああ!あう、あぁ、あああ!」

堰を切ったみたいに、あいつの口から声が溢れ始める。今まで我慢していた分をまとめて吐き出すみたいに、だんだんと声が大きくなる。気が付くと、必死に閉じようとしていた膝も大きく開いて、お尻に両手をそえてあそこの奥へ舌を誘っている。甚五郎の、犬の舌を。

「ああ、駄目ぇ…ああ、ああ、あああぁ!」

全身を激しく波打たせながら、あいつがイっている。それと同時に、俺もトランクスの中に射精してしまっていた。見てるだけで、手も添えていないのに。

そして、激しい射精感で床に尻餅をついてしまった俺の目に、甚五郎の後ろ脚の間のモノが飛び込んで来た。

それを見た俺は思わず息を呑んだ。

でかい。

そしてそれ以上に、人間のモノとはあまりにも違いすぎるその形に、俺は圧倒された。

ぬらぬらとまるで生肉みたいな色をした、木の根っこみたいな形。人間で言う亀頭の部分が見当たらず、根元までずるりと剥け上がったそれは、雌を犯すための器官にふさわしい凶暴さを放っていた。

いつも人懐っこい甚五郎がこんなものを隠し持っていたのにもショックだったけど、それ以前に、こんな物が人間の女の…あいつの中に全部入るのかと思うと、手足の先が冷えていく様な気分になった。

俺が呆然と眺めていると、急に舐めるのをやめた甚五郎がせわしない仕草であいつのお尻に前脚をかけた。

下腹から生えたあのペニスが、あいつのお尻の間を狙って突き立っている。その様子に俺の目は釘付けになった。

AVなんかを見るときの、いよいよペニスが挿入される時の、あの感覚。あれの何倍もの緊張感が俺を襲った。何しろ、そこらのAVなんかとは違う。今俺の目の前では、動物の、犬のペニスが人間の女の子のヴァギナにつきつけられているんだ。

本当に挿れるつもりなんだろうか。本当に挿入るんだろうか。一度見ているものでも、いざ目の前でやられるとなると信じられない気がする。

けれど、それは俺の期待(!)に反して空を切った。

かくかくと腰を振る甚五郎。だけど、あいつが両脚を後ろに投げ出してベッドにへたばっているせいで、入り口を狙うことができない。甚五郎が動く度、奴のそれはお尻の上を滑ってあちこちに当たるだけだった。肩透かしを食らった俺は、ちょっと白けた気分でそれを眺めていた。

「だ、駄目ぇ…」

あいつの声が、そんな俺の気分を吹き飛ばす。

「駄目だよ甚五郎…今はそれは駄目ぇ…」

その声を聞いた途端、良く解らない衝動に駆られた俺は、懸命に腰を振る甚五郎の後ろに回りこんでいた。あいつのお尻を捕まえると、甚五郎のペニスの先を濡れた部分に誘導する。

甚五郎の体が邪魔で、肝心の部分は見えない。それでも、半分手探りの状態で先端をあいつのそこへ突きつけた。

ひっ、と息を呑むあいつ。その様子を眺めながら、甚五郎のものの先端であいつのあそこを弄る。

奇妙にとんがった先端であちこちをつついてみたり、悪戯の様に半分くらい挿入してみたり。その度に、あいつの体が面白いように踊り、震える。

「駄目、入れないで…そんなの、そこに入れないで」

何を今更。今までだって、俺に隠れて散々こいつとセックスしたくせに。

怒りとも嫉妬ともつかない感情に背中を押されて、俺は甚五郎のペニスを深々と送り込んだ。

「ああ、駄目…入ってきちゃう。駄目ええぇぇ!」

ずぶずぶと、あっけない位簡単に。

あいつのそこに、甚五郎のものが。犬のペニスが根元まで収まってしまった。

「いや…駄目え!抜いて、抜いてぇ!」

何言ってるんだ。あの時はあんなによがってたくせに。

そう口に出して言うかわりに、甚五郎のものを更に奥へと送り込む。あいつのお尻を両手でしっかり捕まえて、激しく揺さぶって。くちゃくちゃという濡れた音が、一層俺を駆り立てる。時々、間に挟まれた甚五郎がばたばたと暴れるけど、知ったことじゃない。

「ああ、あう。あひっ、ああ、ああ!」

鼻から抜けるみたいな奇妙な声をあげて、汗の粒を一面に浮かべた背中がきゅうきゅうと反り返る。あいつの顔を見れないのが残念だ。

「うあっ…いや…それ駄目ぇ!」

いきなりあいつが背筋をつっぱらせて、その拍子にペニスが抜けてしまった。すかさず入れなおそうとした俺の目に、それの先端からさらさらした液体が吐き出されている様子が飛び込んできた。

−これって、精液、なのか?

それは衝撃的な光景だった。犬の精液が、あいつのあそこの中に出されていた。さっきのあいつの反応は、それを感じ取ったからだろうか。犬に射精されて、感じていたんだろうか。

衝撃で呆然としている俺の前で、甚五郎の射精?は延々と続いている。我に返った俺は、それに手を添えてあいつの中に入れ直した。

「いやぁ…入れないで。中に出さないで!」

その時、俺は甚五郎のモノに変化が起きているのに気付いた。ペニスの根元だけが瘤みたいに膨らんで、一回り大きくなっている。それはあいつの入口より一回り大きくて、さっきみたいに根元まで納めることができなくなっていた。

そして、甚五郎はばたばたと体の向きを入れ替えようとしている。多分、あの時盗み見た、あの姿勢。お尻同士をくっつけ合わせた、あの格好になろうとしているんだろう。

俺が体を離すと、甚五郎がいそいそと体の向きを変える。そして…

「んああぁっ!」

あいつの切羽詰った声と一緒に、ずるん、と太いペニスが躍り出る。

同時に、あいつのあそこから、コップをあけたみたいに液体が流れ落ちた。

「凄い。こんな…」

こんなに、中に出されてたのか。

「嫌…見ないで」

そんな声も耳に入らないまま、おれは甚五郎のペニスとあいつのそこを見比べる。

あの時のこいつらは、こんな風に抜けてしまいそうな感じじゃなかった。そう、丁度ペニスとあそこでしっかり連結されてるみたいに。

だけど今は、ちょっと動いただけでペニスが外れてしまう。それはやはり…。

俺はあいつのお尻を抱え込むと、甚五郎のペニスを再び押し込んだ。あいつの背中が、びくりと痙攣する。

そのままお尻を大きく割り裂いて、ペニスの根元の瘤を押し付ける。あいつのあそこがぴんと延び切って、そこへ犬のペニスが割り込んでいく。

「ああぁ、駄目。駄目だよぉ…そんなの、入らない」

嘘つけ。根元まで咥え込んで、散々イったくせに。

そんな、憎しみに似た感情に突き動かされて。あそこの入口が今にも切れそうに伸びきった瞬間、ゆっくりと。

瘤の一番太い部分が通ったと思った瞬間。

あいつのそこは、呆気ないくらい簡単に、甚五郎の瘤を中に飲み込んでしまった。

そこには、雄と雌がお尻をくっつけあった奇妙な姿。甚五郎は満足そうに時々目を細めて、へっへっと荒い息を吐いている。

あいつは背中に針金が通ったみたいに硬直して、お尻を高々ともちあげいやらしい姿勢のまま、時々我慢できないみたいに全身を痙攣させている。

そして俺は、何回かの射精でトランクスがべとべとに汚れているのを感じながら、そんな二匹を眺めている。

「あぁ、駄目…甚五郎、引っ張っちゃ駄目ぇ…」

くいくいと腰を引いていく甚五郎。それにつれて、あいつの体がベッドから床にずり落ちていく。体の大きさがまるで違う人間の女が、中型犬に引き摺られる様に。

違う、そうじゃない。あいつが自分から、甚五郎についていってるんだ。まるで、何かに怯えるみたいに、そろそろと後ろ向きに、四つん這いで。

「何処まで行く気だよ…」

うなだれたあいつの髪を掴んで、無理矢理上を向かせる。涙と涎でぐちゃぐちゃになったあいつの顔が、俺の目を打った。

「いや、動かさないで!今動かされたら、あたし…!」

「動かしたら、どうなるんだよ。ほら、ほら、どうなるか言ってみろよ!」

「い、いやぁあああ!」

がくがくと前後に、あいつの頭を揺さぶる。無抵抗なあいつの姿が、俺の行為を加速させる。

「言えよ…感じてるんだろ?犬にちんぽ挿れられて感じてるんだろ?犬に精子中出しされて、イってるんだろ!?」

あいつは答えない。いや、答えられないんだろう。その間も、俺が激しく揺さぶり続けてるから。

「そう、そうだよ…」

やっとの事で、あいつがそう言った。

「あたし、甚五郎の…犬のちんちん挿れて、気持ちよくなってる…犬に射精されて、イってるの!犬にイかされてるの!」

興奮と絶望で、目の前がぐらぐらする。そんな俺に向かってあいつは叫び続ける。

「いま、甚五郎のがあたしの中に出てるの!おしっこみたいに凄い勢いで、あたしの卵子に授精してるの!」

「…くそっ!」

俺は制服のスラックスをむしりとると、自分の精液でべとべとになったペニスをあいつの顔に突きつけた。

そう、俺は興奮していた。自分の彼女が犬に犯されるのを見て、犬とセックスしてイくのをみて、どう仕様もなく興奮してしまっていた。

「咥えろよ。ほら!」

いつもなら、散々頼んでやっと形だけ舐めてくれるあいつ。精液で汚れきったそれを、今は咽喉の奥まで一気に押し込んで。

「んんんんぅぅ!」

苦しそうな声を出しながら、それでもほとんど無抵抗にペニスを飲み込んだあいつ。その摩擦感だけで、すぐにイってしまいそうになる。

だけど、別に惜しくはない。だって、今なら何度でもできるから。あいつのくぐもった声、獣じみた息遣い。何より、甚五郎のをほしがって痙攣するあいつの姿を見たら、何度だって射精できるから。

ああ、出る。また出る。

もう小便でもする様な感覚で、俺はあいつの咽喉の奥に射精した。あいつも、鼻にかかった声をあげながら、俺の精液を飲み干している。

「ぷはあぁっ!」

俺の腰にしがみついたまま、あいつがペニスを吐き出した。またイきそうなんだろう。切羽詰った様子で全身をがくがくと震わせている。俺の尻に回した両手が、ぎゅっと爪を立てた。

「イきそうなのか?犬のちんちん挿れられて、イかされそうなのか?」

「そう、そうだよ!犬のちんちん挿れられて、犬に射精されて!犬のちんちんで、イくぅぅぅう!」

びくびくと、まるで壊れたおもちゃみたいに痙攣するあいつ。力の抜けた両手がずるずると俺の両脚をずり落ちて、だけどまだ終わらない。床にへたばった姿勢で喘ぎ続けながら、それでもお尻だけは高く差し上げて。

そんな二匹の様子を、俺は憑り付かれたみたいに眺めていた。


それからしばらくして、満足した甚五郎はやっとあいつから離れていった。

今度こそ床に伸びてしまったあいつ、カエルみたいに無様に開かれた脚の間からは、時々溢れるみたいに水っぽい液体が吐き出されている。甚五郎の…犬の、精液。

それを見た俺は、急にどうしようもない気分になって、あいつのお尻を引き摺り起こした。さっきから勃ちっぱなしのペニスを、そこへバックから一気に突きたてる。

「んああぁ…だめ。今はもうだめぇ…」

疲れ切って身も起こせないあいつ。その腰をがっちり掴んで乱暴に出し入れした。嫉妬と興奮と、よくわからない焦り。そんな感情が頭の中でごっちゃになって、もう自分でもよくわからない。ただ、何かに突き動かされて、俺は闇雲に腰を振り続けた。

「くそっ…くそっ!」

激しくあいつを責め立ててるつもりでも、逆にこっちの限界が近付いてくる。あいつの反応は今ひとつ鈍いままだ。

「くそ…まだ挿れたばっかだってのに」

「駄目ぇ…中は駄目…」

そんな気配を察して、あいつが言う。その声が俺の気分を逆撫でした。

「甚五郎のは良くて、俺のは駄目だってのか?」

「だって、だって…今日は駄目…赤ちゃん出来ちゃうぅ…」

「ふん。俺の精子は欲しくないって訳。わかったよ」

ゆっくりと腰を引いて、自分のものを引き抜く。あいつの中から出てきたそれは、あいつの愛液と甚五郎の精液とでぬらぬらに光っていた。

そして、油断してぐったりと伸びているあいつのそこから、先端をほんの少し上へずらす。その場所も、あそこからあふれ出した液でべとべとに光っている。

「ひ…そこ、違…ああああぁ!」

そう、最初からそのつもりだった。前から興味があった場所。以前イタズラしてこっぴどく怒られた。でも、今の俺にはここを自由にする権利がある様な気がする。

「だめ…そこは駄目だってば。ひ…駄目ぇぇ!」

そう言いながら、あいつのアナルは俺の先端を半分以上飲み込んでいた。堅いゴムの輪を押し開けるみたいに、俺は強引に腰をつき立てる。

「力抜けよ…もうエラまで入ってるから、抵抗したって無駄だぞ」

「いや、そんな…あぁ、入ってくる。ああ、ああぁ、ああぁぁぁ!」

ふっと締め付けが緩んで、途端にスムーズに、一気に根元まで。厚い肉の層を突き抜ける感じで、ペニスが深々と収まった。

「ほら入った。ここなら絶対に妊娠しないから、何発中出ししても平気だよな?」

背中を硬直させて痙攣してるあいつに、そう囁く。強烈な締め付けで押し出されないように気をつけながら、俺は腰に力をこめた。

「あぅ、ああ、あぁ、ああぁぅ」

奇妙な声を上げながら、あいつの体が揺れる。その声とアナルの締め付けと、何より異常な状況の刺激。不意に高まってきた俺は、我慢する間もなく射精してしまった。

「あ…ああぁぁぁ…」

鼻から抜けるみたいな、妙な声を出しているあいつ。逃がさない様に腰にしっかり手を回して、俺は精液で滑りの良くなったアナルを犯し続ける。

もう、何がどうなっているのかわからない。ただ、交尾するしか能のない機械にでもなったみたいに。俺は無意識に腰を振り続ける。

ふと気付くと、あいつがこっちを見ていた。長々とベッドに伸びて、俺に突き上げられるままになっている、あいつの体。そんな中で…

そう、あいつの眼だけがこっちを向いて、わらっていた。それはあの時の、甚五郎としている時に盗み見た、あれと同じ眼のように見えた。

知らないうちに、あいつの手が俺の手に絡みついている。奇妙に絡まりあいながら、俺達はいつまでも交尾し続けていた。


「こら。もう…今日はそっちは駄目だって言ったでしょ!」

ぐったりとベッドに寝そべりながら、言葉は強気なままのあいつ。うつ伏せになったあそこからは、中出しされた大量の精子があふれ出している。

「…何でいつも俺はアナルばっかなんだよ」

恨めしそうに言ってみる。

「仕方ないでしょ。今日はあぶない日なんだから。甚五郎はいいけど、あんたは駄目」

「ちぇ…」

その甚五郎は部屋の隅で満足そうに長まっている。

「なあ、ちょっとだけ。挿れるだけならいいだろ?」

「駄〜目。先走りにも精子は入ってるんだし、第一あんた途中で止めないでしょ?ワガママ言うと、もうさせてあげないから」

「わ…わかったよ。悪かったって」

俺は慌ててあいつのお尻に手をかけると、ぴんぴんに勃起したモノをあいつのアナルに押し当てる。

「ん…」

「…あ」

二人でタイミングを合わせて、あいつが息を抜くと同時に腰を送り込む。ぐうっ、と押し拡がる感じがして、ペニスがあいつの胎内に入り込む。

まったく、何でこんな事になっちまったんだろう。

だって、仕方がないじゃないか。

あいつは、犬とセックスするのが大好きで、それをやめる気は全然ない。

俺は、それが平気って訳じゃないけど、でも…

犬と交尾して、犬に犯されて嬌声を上げるあいつを見ると、どうしようもなく興奮してしまう。男として絶対に嫌な筈なのに、そんなあいつをもっともっと見たくなってしまうんだ。だから…。

まったく、何でこんな事になっちまったんだろう。

答えのわかり切ってる問いを繰り返しながら、俺はあいつを後ろから抱きしめ続けていた



END


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